About Us 組織の学校とは
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Concept コンセプト

一般的にデザインとは、デザイナー(主体)が対象(客体)を生み出すと考えられています。しかし、対象が「組織」の場合はどうでしょうか。
組織の外部の人(主体)が組織(客体)をデザインすることには様々な矛盾をもたらします。たとえば、外部のコンサルタントが人事制度をクライアント企業に持ち込むとき、たとえその制度が素晴らしいものであっても、組織の中の人には容易に受け入れられません。
では、近年の「人間中心設計」や「デザイン思考」に代表されるように、メンバーをプロセスに巻き込めばよいでしょうか。たとえメンバーを巻き込んだとしても、組織の外部の人(主体)が組織(客体)をデザインすることには変わりません。つまり、組織のデザインは、組織の内部の人自身がデザインすることが重要となります。
しかし、ここで問題となるのは、組織の内部の人が組織をデザインするとき、実はその人自身も組織の一部である点です。自分がいる組織をデザインすることは、自分自身もデザインすることを意味します。「組織を変革する」「組織の課題を解決する」などの組織のデザインを行うためには、組織の中にいる人自らが考え、行動しない限り、組織のデザインは成し得ません。つまり、組織のデザインには、主体と客体を分離するのではなく、相互主観的な立場から考える必要があります。組織のデザインと自分自身のデザインを両立する、という一見矛盾した問いに立ち向かわなければなりません。
組織の学校は、このような「組織の中にいる人」が「組織を中からデザインする」ことを応援したいという想いのもと設立しました。組織の学校は、組織づくりへの志を持つ仲間たちが、共に体験し、学び合うことで、自らが気づき行動するための、創造的な学習の場を提供していきます。
ロゴマークに込めた想い
メンバーが役割を明確化して分業するという、いわゆるチームワークは合理的に感じられるかもしれません。しかし、実際には、役割を超えた仕事、グレーゾーンの仕事、新たな枠組みの仕事、が発生します。組織が「破れない布」のように強く弾力性のある面として機能するには、メンバーが足りないところを補い合う必要があります。そこには、一見非効率とも思える「遊び(余裕・冗長さ)」が必要不可欠です。
組織の学校のロゴは、パズルをモチーフにしています。9つの欠かせないピースが絡み合い、試行錯誤の末にひとつの面となったとき、本来の姿や意味がそこに現れます。組織の学校のロゴには「組織に欠かすことのできない一人一人のメンバーが、お互いに補完しながらも柔軟に変化を吸収し、組織の複合的な課題を試行錯誤しながら解いていく」という想いが込められています。
Mission ミッション
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- 企業、自治体、学校、地域などの組織の中で、「組織づくりの担い手となる志を持つ仲間たち」に対し、
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- 組織の課題解決の糸口を見出し、組織変革の突破口を開くための知恵や行動を自ら生み出みだせるよう、共に体験し、学び合う、創造的な学習機会を、
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- 「経営」「組織」「学習」「デザイン」に関する高度な専門性に基づいた、「実践の場(ワークショップ等)をデザインする技術」と「高度なファシリテーション能力」により、提供します。
3 つのキーワード
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体験を通した学習の場
school(スクール)の語源であるギリシア語のσχολή(スコレー)は、「精神活動や自己充実にあてることのできる積極的な意味をもった時間」「個人が自由または主体的に使うことのできる時間」を意味します。つまり、スコレーとは、自分の時間を使って「人生の価値を見出すための時間」とも言えます。このスコレーから派生して、学校 (school) という言葉は生まれました。学校とは、スコレーを生み出す能力を身に着ける場所を意味します。もともと教育は個人を対象とするのではなく、志を一緒にする集団を対象としてきました。学校は単なる個人が知識や情報を得る場ではなく、志を一緒にする集団同士で共に体験し考える場です。これが、スクールの起源です。
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図1 Kolbの経験学習モデル
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メンバーが意味を作り出すダイナミズム
組織(organization)は、実体のあるものと捉えられがちです。言わば、名詞としての組織です。しかし、組織はその時々のメンバーの行為や環境と相互作用しながら、刻々と変化するものです。たとえば、役職を定めて業務内容を明確に定義しても、定義があいまいな業務が発生したり、いつのまにか業務内容が変わったりします。メンバーはその時々の変化を受け入れ、淘汰し、あるいは、保持して、様々に意味付けを繰り返しながら前進します(Weick,1995)。このように、組織はダイナミックに変化していくものであり、動詞としての組織化(organizing)の考え方が大切です。組織開発や組織活性化という言葉が使われるとき、名詞としての組織の観点から捉えると、組織を外からデザインするという罠に陥ります。そうではなく、動詞としての組織化の観点からメンバーの行為や捉え方そのものに注目する必要があります。
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図2 Weick の意味形成モデル
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デザインとは本来社会的な行為である
ラテン語のdesignare(デシグナレ)に由来するdesign(デザイン)は、” sign(記号)” に” de(する)” という本来的な意味を持ちます。つまり、デザインとは、複合的で不明瞭な事象に対し、付随的要素を削ぎ落として本質的要素へと記号化することです。
この本来的な意味においてデザインの範疇は製品にとどまりません。デザインとは、サービスやインタフェース、ネットワーク、プロジェクト、ディスコースなどを含んだ射程を持つ、本来社会的な行為です(Krippendorff ,2009)。
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図3 人工物の軌道(Krippendorff,2009 を一部修正)
Company 「組織の学校」運営会社
会社概要
- 会社名
- 株式会社北野商会
- 本 社
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〒530-0001
大阪市北区梅田1-11-4
大阪駅前第4ビル 9F 923号室
- 代表者
- 代表取締役 北野 清晃
- 設立日
- 2018年4月20日
代表者プロフィール
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北野 清晃Kitano Kiyoteru
- 株式会社北野商会 代表取締役
- 組織の学校 校長
- ワークショップデザイン研究所 所長
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略歴 1977 年大阪生まれ。金沢大学大学院(都市計画専攻)を修了後、都市計画コンサルティング会社に入社。自治体の計画策定業務やまちづくりワークショップの企画運営に携わる。その後、人材育成や組織開発を支援する公益法人に入職。企業や自治体の研修やセミナー、シンポジウム、委員会等の企画業務に従事する。同社退職後、実家の中小企業支援に取り組みながら、京都大学経営管理大学院専門修士課程にて経営学及びエスノグラフィー等の観察手法を用いたサービスデザインの研究に取り組む。その後、京都大学大学院情報学研究科博士課程にて組織デザイン、ワークショップデザインの研究に取り組み、博士号を取得する。研究と実践の両立を目指し、企業や自治体の研修やセミナーの企画および講師、各種ワークショップの企画およびファシリテーターとしても活躍している。
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資格 - 中小企業診断士(経済産業省)
- 一級建築士(国土交通省)
- 一級販売士(日本商工会議所)
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学位 - 博士(総合学術) 京都大学大学院情報学研究科
- 専門修士(経営) 京都大学経営管理大学院
- 修士(工学) 金沢大学大学院自然科学研究科
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受賞等 - 京都大学サマーデザインスクール2017 優秀賞(2017)
- サービス学会国内大会口頭発表 学生奨励賞(2015)
- 京都大学経営管理大学院 成績優秀賞(2015)
- 日本建築学会設計競技 タジマ奨励賞(1999)※共同受賞